The text of and illustrations in this document are licensed by Red Hat under a Creative Commons Attribution–Share Alike 3.0 Unported license ("CC-BY-SA"). An explanation of CC-BY-SA is available at http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/. In accordance with CC-BY-SA, if you distribute this document or an adaptation of it, you must provide the URL for the original version.
Red Hat, as the licensor of this document, waives the right to enforce, and agrees not to assert, Section 4d of CC-BY-SA to the fullest extent permitted by applicable law.
Red Hat, Red Hat Enterprise Linux, the Shadowman logo, JBoss, MetaMatrix, Fedora, the Infinity Logo, and RHCE are trademarks of Red Hat, Inc., registered in the United States and other countries.
Linux® is the registered trademark of Linus Torvalds in the United States and other countries.
Java® is a registered trademark of Oracle and/or its affiliates.
XFS® is a trademark of Silicon Graphics International Corp. or its subsidiaries in the United States and/or other countries.
All other trademarks are the property of their respective owners.
機能強化、セキュリティエラータやバグ修正によるエラータなどを集めたものが Red Hat Enterprise Linux のマイナーリリースになります。 Red Hat Enterprise Linux 6.5 リリースノート では、このマイナーリリースの Red Hat Enterprise Linux 6 オペレーティングシステムと付随するアプリケーションに加えられた主要な変更について記載しています。このマイナーリリースにおける変更点 (修正済みのバグ、追加された機能強化、発見された問題点など) に関する詳しい説明については テクニカルノート を参照してください。また、テクニカルノートには現在利用できるテクニカルプレビューとその機能を提供するパッケージの全一覧も記載されています。
重要
こちら でご覧になれるオンライン版の Red Hat Enterprise Linux 6.5 リリースノート が最終的な最新バージョンとなります。このリリースに関してご質問があるお客様は、ご使用の Red Hat Enterprise Linux バージョンのオンライン版 リリース および テクニカルノート をご覧いただくことをお勧めします。
Red Hat Enterprise Linux 6.5 は、Lenovo X220 タッチスクリーンに対応しています。
第2章 ネットワーキング
Precision Time Protocol
Linux 向け IEEE 基準 1588-2008 に準じた Precision Time Protocol (PTP) の実装は、Red Hat Enterprise Linux 6.4 でテクノロジープレビューとして導入されました。カーネルおよびユーザースペースの PTP インフラストラクチャは Red Hat Enterprise Linux 6.5 で完全にサポートされています。ネットワークドライバーのタイムスタンプのサポートには、以下のドライバーが含まれます: bnx2x、tg3、e1000e、igb、ixgbe、sfc。
設定外の IP マルチキャスト IGMP スヌーピングデータの分析
これまでは、ブリッジモジュール sysfs 仮想ファイルシステムは、設定外の IP マルチキャスト IGMP スヌーピングデータを検査する機能を提供していませんでした。この機能がないと、マルチキャストトラフィックの完全な分析ができませんでした。Red Hat Enterprise Linux 6.5 では、ユーザーは検出されたマルチキャストルーターポートを一覧表示することができ、アクティブなサブスクライバーと関連インターフェイスをグループ化します。
NetworkManager における PPPoE 接続のサポート
NetworkManager は、PPPoE (point-to-point protocol over Ethernet) ベースの接続の作成および管理をサポートするように強化されました。例えば、DSL、ISDN、VPN の接続などに使用されます。
OpenStack のネットワーク名前空間のサポート
ネットワーク名前空間 (netns) は、コンテナベースの軽量な仮想化技術です。仮想ネットワークスタックは、プロセスグループと関連付けることができます。名前空間にはそれぞれ独自のループバックデバイスとプロセス空間があります。仮想もしくはリアルのデバイスを各ネットワーク名前空間に追加することができ、ユーザーはこれらのデバイスに IP アドレスを割り当ててネットワークノードとして使うことができます。
暗号化ハッシュ機能変更の SCTP 対応
Red Hat Enterprise Linux 6.5では、ユーザーは暗号化ハッシュ機能を Stream Control Transmission Protocol (SCTP) 接続向けに MD5 から SHA1 に変更できます。
SCTP 用の M3UA 計測カウンター
M3UA (Message Transfer Part Level 3 User Adaptation Layer) は、ISDN や PSTN といった従来の通信ネットワークを使用するのではなく、SCTP を使って IP 上での MTP Level 3 ユーザーパートシグナルメッセージを送信するための IETF 標準で定義されるプロトコルです。
iproute を使った DOVE トンネルの管理
DOVE (Distributed Overlay Virtual Ethernet) トンネルは、クラウドセンターで使用される ISO OSI layer 2 ネットワーク向けのスケーラブルソリューションを意味する Virtual Extensible Local Area Network (VXLAN) の構築を可能にします。bridge ツールは iproute パッケージの一部で、例えば、Linux プラットフォーム上で VXLAN デバイスでのデータベースの転送管理に使用できます。
第3章 セキュリティ
FIPS 140-2 証明書に関連する変更について
Red Hat Enterprise Linux 6.5では、カーネルが FIPS モードで稼働中かどうかにかかわらず、dracut-fips パッケージがあれば整合性の検証が実行されます。Red Hat Enterprise Linux 6.5 を FIPS 140-2 準拠とする詳細情報については、以下のナレッジベースのソリューションを参照してください。
Red Hat Enterprise Linux 6.5 における Identity Management でのローカルユーザーの自動集中同期化 は、ローカルユーザーの集中管理を容易にします。
NSS での ECC サポート
Red Hat Enterprise Linux 6.5 の Network Security Services (NSS) は、Elliptic curve cryptography (ECC) に対応しています。
第4章 サブスクリプション管理
Red Hat Support Tool
Red Hat Enterprise Linux 6.5 には、Red Hat Support Tool を提供する新しいパッケージ redhat-support-tool が同梱されます。Red Hat のサブスクライブサービスへのコンソールベースのアクセスを提供し、お客様向けコンテンツやサービスへのアクセスポイントを広げました。さらに、ヘルプデスクサービスとサブスクリプションサービスを統合、自動化することもできるようになります。本ツールの機能には以下のようなものがあります。
Red Hat Enterprise Linux 6.5 の仮想化の更新では、ライブ移行やエラー報告、ハードウェアおよびソフトウェアの互換性などのエリアで多くのバグ修正が行われました。さらに、パフォーマンスおよび全般的な安定性に関する改善が実装されました。これらのなかで最も重要なものは、以下の通りです。
5.1. KVM
VMDK イメージファイルフォーマットのサポート改善
Red Hat Enterprise Linux 6.5 には、仮想マシンディスク (VMDK) や、多くの VMware 製品が作成するサブフォーマットを含むイメージファイルフォーマットへの読み込み専用サポートの数多くの改善点が含まれています。
Windows ゲストエージェントの完全サポート
Windows ゲストエージェントが完全対応となり、virtio-win ドライバーと合わせて Supplementary チャンネルで独自のインストーラーが提供されます。
VHDX イメージファイルフォーマットのサポート
Red Hat Enterprise Linux 6.5 には、Hyper-V 仮想ハードディスク (VHDX)や、Microsoft Hyper-V が作成するイメージフォーマットへの読み込み専用サポートが含まれます。
CPU のホットプラグ/アンプラグ が Linux ゲスト上の QEMU ゲストエージェントでサポートされています。ゲスト稼働中に CPU を有効/無効化することができるので、ホットプラグ/アンプラグ機能と同じようになります。
qemu-ga-win 上で VSS サポートを使った Microsoft Windows でのアプリケーション認識の freeze および thaw
VSS (ボリュームシャドウコピーサービス) は Microsoft Windows API で、その機能の一つはアプリケーションの適切かつ一貫性のある freeze および thaw 操作の通知を可能にすることです。この機能により、仮想マシンが稼働中に取られたスナップショットはスタック全体 (ブロック層からゲストアプリケーションまで) で一貫性が保たれ、バックアップに使用できます。詳細は、仮想化管理ガイド を参照してください。
qemu-ga フックを使用した Linux 上でのアプリケーション認識の freeze および thaw
Windows VSS バージョンと同様に、ゲスト上で稼働する QEMU ゲストエージェントにアタッチするスクリプトを使用してアプリケーションで一貫性のあるスナップショットが作成できます。これらのスクリプトはアプリケーションに通知を行い、このアプリケーションが freeze もしくは thaw の操作中にデータをディスクにフラッシュします。これにより一貫性のあるスナップショットが作成できます。
VMware OVF および Citrix Xen ゲストの KVM ゲストへの変換
virt-v2v 変換ツールはアップストリームバージョンにアップグレードされ、VMware Open Virtualization Format (OVF) および Citrix Xen ゲストの KVM への変換をサポートします。
KVM メモリスケーラビリティーの拡張
単一ゲスト内での KVM 仮想メモリのスケーラビリティーは、4TB に拡張されました。
Microsoft Windows ゲスト内からのボリュームコントロールのサポート
ユーザーは、Microsoft Windows XP ゲスト上で AC'97 コーデックを使ってボリュームレベルを完全にコントロールできます。
5.2. Microsoft Hyper-V
Microsoft Hyper-V 準仮想化ドライバー
Microsoft Hyper-V 上での Red Hat Enterprise Linux サポートを強化するため、Synthetic Video Frame Buffer Driver が Red Hat Enterprise Linux 6.5 に追加されました。さらに、ホストとゲスト間のシグナルプロトコルが更新されました。詳細は、仮想化管理ガイド を参照してください。
5.3. VMware
VMware プラットフォームドライバーの更新
VMware ネットワークの準仮想化ドライバーが最新のアップストリームバージョンに更新されました。
第6章 ストレージ
fsfreeze に完全対応
fsfreeze ツールは Red Hat Enterprise Linux 6.5 では完全対応となっています。fsfreeze コマンドは、ディスク上のファイルシステムへのアクセスを停止させます。fsfreeze はハードウェア RAID デバイスと合わせて使用するように設計されており、ボリュームスナップショットの作成を助けます。fsfreeze ユーティリティに関する詳細は、fsfreeze(8) man ページを参照してください。
pNFS ファイルレイアウトの機能強化
pNFS は 従来の NFS システムが従来の NAS 環境で拡張することを可能にします。これは、計算クライアントが物理ストレージデバイスから/へ直接かつ並行してデータを読み書きすることを許可することで可能になっています。NFS サーバーはメタデータの管理とアクセスのコーディネートのみに使われ、これにより多くのクライアントからの非常に大型セットへの予想可能なスケーラブルなアクセスを可能にしています。pNFS へのバグ修正は本リリースで実現されています。
FUSE での Red Hat ストレージのサポート
FUSE (ユーザースペースの Filesystem) は、カーネルへの修正を必要とせずにユーザースペースのみでのファイルシステムの開発を可能にするフレームワークです。Red Hat Enterprise Linux 6.5 では、GlusterFS (Red Hat ストレージ) など、FUSE を使用するユーザースペースファイルシステムのパフォーマンス強化を実現しています。
Red Hat Enterprise Linux 6.5 は、NSA スイート B 暗号機能強化および認証に対応しています。これらの暗号化アルゴリズムは非常に安全なネットワーク通信を提供します。NSA スイート B は、NIST 800 - 131 下の政府機関で必要となります。NSA スイート B 暗号化のコンポーネントには、以下のものが含まれます。
AES (高度暗号化標準) の暗号化 GCM モードの運用
Elliptic Curve Diffie–Hellman (ECDH)
セキュアハッシュアルゴリズム 2 (SHA-256)
以下のターゲットは、検証プロセス中です。
NSS FIPS-140 Level 1
Suite B Elliptic Curve Cryptography (ECC)
OpenSSH (クラスタおよびサーバー)
Openswan
dm-crypt
OpenSSL
Kernel Crypto
AES-GCM、AES-CTS、AES-CTR の暗号文
FSTEK 証明書
ロシア連邦には、国外のベンダーのセキュリティに関する主張を決定する際に、コモンクライテリア認証をモデルとした独自の認証プロセスがあります。国外のベンダーがロシア政府機関に情報セキュリティ製品やサービスを提供する際には特に FSTEK (Federal Service for Technical and Export Control) が必要になります。
Evolution アプリケーションは最新のアップストリームバージョンにアップグレードされ、Microsoft Exchange との相互運用性が改善されています。これに含まれるのは、新たな Exchange Web Service (EWS)、ミーティングサポートの改善、フォルダサポートの改善です。
LibreOffice のリベース
Red Hat Enterprise Linux 6.5 リリースでは、LibreOffice はアップストリームバージョン 4.0.4 にアップグレードされています。
AMD GPU のサポート
最新の AMD グラフィックスプロセッサユニット (GPUs) のサポートが Red Hat Enterprise Linux 6.5 では追加されています。
NetworkManager でのエイリアスサポート
NetworkManager にエイリアスサポートが追加されました。ただしユーザーは、代わりに複数もしくはセカンダリ IP 機能を使用することが強く推奨されます。